ルル×カレン


「その、見えてるんだけど。」
カレンはその一言で我に返った。一糸纏わぬ裸身を人前に晒している。
「キャッ!」
慌ててカーテンを閉ざすとその場にへたり込む。みるみるうちに顔が赤くなっていくのが自分でも分かる。
「・・・違ったんだ。」
カレンはそうつぶやいてどこか安心している自分に戸惑った。
「誰にも言わないから、じゃあまた後で。」
「ま、待って。」
とっさにカレンはルルーシュを呼び止めた。ルルーシュはカーテン越しに見える彫刻のように美しいシルエットに気後れしつつ、その声に応える。
「まだ何かあるのか?」
シャワーを止めてカレンは掛けてあったバスタオルで髪と身体を拭きながら応える。
「もう少し、話がしたいの。あなたと2人で。」
そう言うとカレンは胸元を押さえながらバスタブから出てきた。とっさのことでルルーシュは目をそらす暇もなかった。
濡れた髪に少し上気した頬。均整の取れた身体に巻かれたバスタオルが否応にもカレンの女性的なラインを強調している。
「構わないけど、ここでなきゃダメなのか?」
ルルーシュはカレンに背を向けながら問う。
「人に聞かれると、まずい話だから。 まずあなたに謝りたくって。」
「謝るって、何を?」
「あなたのこと、誤解してたみたい。」
「俺も君の事誤解してたよ、身体が弱いって聞いてたけど。」
ルルーシュはからかうような口調で言うとわざとらしくカレンに視線を向けなおし、その肢体を眺める。
「?」
「いや、ずいぶん健康的だなって思ってさ。」
「は、話を逸らさないで。」
カレンは身をよじって顔を赤くした。バスタオルを締めなおすがそれは逆効果だ。
よりいっそう身体のラインが強調され、横向きになったカレンはルルーシュから見ると
胸と臀部の凹凸がこれでもかと主張され、濡れた髪は首筋と頬にはりつき、こちらを咎める視線も庇護欲をそそる小動物のように愛らしい。
美しい少女の扇情的な姿を目にして、ルルーシュは自分の下半身が熱くなるのを感じた。

カレンは教室でルルーシュに声をかけられたあと、その場にいた女生徒数人に廊下へ引っ張り出されて尋問を受けたことを思い出す。
いわゆる事情聴取というやつだ。
「カレンさん、どういうことなの。誘ってくれると思ってた、なんて。」
「え、と。お昼に少し、話をしただけで、たぶんみなさんが思ってるようなことでは・・・。」
「いーえ。あのルルーシュが自分から声をかけたんだもの、絶対何かあるわ。」
女生徒たちは次々とまくしたてる。
「さっきの2人の短いやり取りのなかで、そこはかとないラヴ臭があったわ。」
「そうか、貴公子ルルーシュもナナリーちゃんの他にやっと守るべき女を見つけたか。」
「き、貴公子?」
ナナリーという女性の名前がひっかかったが、勢いに呑まれてつい聞きそびれる。
「そうよ、学園に編入してきてからルルーシュの人気ってすごいんだから。」
「あーあ、同じクラスになって私もちょっとは望みあるかなーって思ってたんだけど。」
ワイワイガヤガヤ

「着替え、廊下で待ってようか?」
ルルーシュはカレンの肢体から視線をはずす。これ以上眺めてるとどうにかなってしまいそうだ。
「いいわ、このままで。なんだか身体が熱くって。」
聞きようによってはこれ以上ないほど淫靡なセリフを口にしていることにカレンは気づかない。
熱いシャワーのせいか、あるいは羞恥心か。どちらにしろ精神的に高揚していることは確かだ。
「まあ、君がそう言うならいいけど。でも立ったままってのもあれだな。」
それ以上に目のやり場に困る。内心ではそれが一番の理由だ。
「とりあえず、座れば?」
ルルーシュは部屋の隅にある小さなソファにカレンを促す。
「ありがとう。でもさすが貴公子さんね。」
「周りが勝手に言ってるだけだよ。実際は平凡な男の子。」
そう、たしかに2日前までは確かにそうだった。だが今は・・・。
「あなたも座れば?」
深みに落ちようとするルルーシュの思考をすくい上げるように柔らかい声音がひびいた。
「え、でも、ソファはひとつしか。」
「大丈夫よ、私たち、2人とも華奢だし。」
少し大きめの作りだが2人が座るには窮屈だろう。だがカレンはルルーシュの反論も聞かずにバスタオル姿のままソファに腰掛ける。
お尻をモゾモゾと動かして自分の隣にスペースを作る。何気ない動作だがなんとも艶かしい。
「さあ、どうぞ。」
戸惑うルルーシュにカレンは悪戯っぽい笑みを向けた。

カレンは自分の大胆さに戸惑う。普段の自分ならこんなこと考えられない。
「ほら、はやく。」
ルルーシュの手をとり、こちらに引きずりこむ。
「ちょ、ちょっと。」
転がるようにしてルルーシュはソファに沈み込んだ。クッションとは別の柔らかさを腕や腰で感じる。
2人は密着したままお互いを見つめあう。ついさっきまでの不審を抱きあったものとは別の雰囲気が満ちる。
「私のこと、変な女だなって思ってるでしょ。学園には病弱だ、なんて嘘をついて」
半身を寄り添わせ、カレンはルルーシュに問いかける。
「何か事情があるんだろ? 人には言えないような。」
ルルーシュはあえて曖昧な返事を返す。たいていのことはすでに目の力を使って聞き出してある。
「うん。そうなんだけど・・・。」
カレンの表情に翳りがさす。男に寄り添った美しい少女の憂い。
テロリストである強い少女が見せた儚げな表情。ルルーシュは思わずカレンの手を握り締めた。
カレンは少し驚いたがルルーシュの真剣な顔を見て何を感じ取ったのか、手を握り返す。
さきほどカーテン越しに握った手首とは異質の、穏やかな仕草だ。
「クラブハウスに来てた、あなたの妹。えっと・・・。」
「ナナリー?あいつがどうかした?」
「ううん、私にも兄がいるから。学園を休みがちなのもそれが関係してるんだけど。」
「いいよ、言わなくて。それに、女の子は秘密を持ってたほうが魅力的だ。」
女の子、なんのことはないその言葉にカレンは反応してしまう。いや、冷静になったと言うべきか。
カレンは状況を整理する。
えっと、男の子とくっついて、自分はバスタオル一枚で、柔らかく手を握り合ってて・・・。
みるみるうちにカレンの頬が紅潮していく。
でもなぜだろう、彼の前では自然体でいられる。たぶん、ナナリーちゃんに話しかける時の彼を見てから。
妹に接する優しい兄。そんな姿を見て、不覚にもときめいてしまった。
「どうした?」
顔を赤くして惚けているカレンにルルーシュは怪訝な声をかける。
「なんでもないわ、女の子の秘密。」
「これはこれは、1本とられたな。」
2人はクスクスと笑いあう。
「でもね、その秘密。あなたにならいつか話せそうな気がする。」
「俺でよければいつでも聞くよ。」
カレンの精いっぱいの告白と、それを受け入れるルルーシュ。
嘘と欺瞞の中にあるお互いの想いは、すれ違ったまま、それでも重なろうとする。
「クチュン。」
カレンが小鳥の鳴き声のようなくしゃみをした。
「冷えてきたんだよ、そんな格好のままじゃ風邪をひく。上着だけでも。」
ルルーシュが着替えをとりにいこうと立ち上がった。
歩き出そうとしたがカレンは顔を赤くしてうつむきながらルルーシュの袖をひっぱっている。
「あっためて、くれる?」
上目遣いでカレンはルルーシュに問う。
答えるまでもない。ルルーシュは無言で手をのばし、頬を撫でて耳の辺りにかかる髪をかきわける。
「ふぅ・・ぅん。」
カレンは目を閉じ、耳元をくすぐられる心地よい感触を声で訴えた。

カレンは耳元に感じる暖かさのもとを確かめたくてうっすらと目を開けた。そこにはルルーシュの顔がある。
近くで見ると、確かに綺麗だな、と改めて思う。
艶のある黒髪にどこか孤独めいた美貌。女の子なら誰だって放っておかないだろう。
いまさらながら、自分の鼓動が信じられないくらい高鳴っているのをカレンは自覚した。本当に胸がはりさけそうだ。
一方のルルーシュは経験がある分、少し余裕はあるが、自分が今抱こうとしている少女の美しさに気圧されてまだ戸惑いを隠せない。
ルルーシュは迷いを振り切るようにしてカレンの唇を奪う。
「んん、はむぅぅ。」
まだカレンの唇は閉じられたままだ。それでも僅かな粘膜の接触が2人の境界を曖昧にしていく。
カレンはすでにソファに浅く腰掛けているだけ、ほとんど倒れこんでいる。腰に回ったルルーシュの左腕と足先でなんとかバランスを保っている。
ルルーシュがふいに腕の力を抜いた。カレンの上半身は為すすべなくクッションに沈み込む。
「くち、あけて。」
ルルーシュは自分自身も追いかけるように倒れこみながら優しく囁いた。返事を待つこともせずにもう一度唇を重ねる。
「ぅぅん、むぅぅぅん、んん。」
少し長いキス、カレンは酸素を欲するがルルーシュはキスを続ける。そしてついにたまらなくなったのかカレンは微かに唇を開いた。
「はぁぁぁむぅぅぅん、んっああ、まっ、て、むぅん、いき、くる、し」
待てるわけがない、甘い吐息と掠れた声、どんな男でも一瞬でその気になるだろう。
ルルーシュはカレンの咥内を弄り回す。舌で歯をなぞり、行き場を失っているカレンの舌に吸い付く。
ぴちゃピチャと粘膜の淫靡な音が響く、聴覚でも性的な高揚を感じられるくらいに。
充分すぎるほどのぬくもりを与えられたカレンはすでにうっすらと汗をかいている。
こめかみから一滴首筋に落ちた。それを見つけたルルーシュはひきつけられるように愛撫の矛先を変える。
「はあぁぁ、ん、あぁぁ」
ようやく口元を開放されたカレンは深々と息を吸い込み、吐き出す。しかしすぐに口を開き
接触を求める。首筋に感じるルルーシュの愛撫が後押ししてのことだろうか。
咥内をさまよう舌先が淫らに動き、哀願するように突き出される。
ルルーシュの愛撫は首筋から鎖骨、そして胸元へと移動する。カレンはいまだにバスタオルを巻いたままだ。
ほとんど着崩れているとはいえ、最後の一線はまだ保たれている。
ルルーシュは一度上半身を起こし、カレンのその姿を見つめる。
陶磁器のような肌にうっすらと赤みがかかり、さらけ出された肢体。
成熟を果たさずともこれ以上ないほど実った果実。乳房の先端がかすかに突き出ている。
どんな言葉も無意味だろう。あとは・・・。
ふとカレンを見ると涙を目に溜めながらこちらを見つめている。訴えるような視線。微かに開かれた口元。
ルルーシュは自分の人差し指をカレンに与える。
「はむぅぅぅん、んんむんぅぅ。」
カレンは乳房を求める赤ん坊のように指に吸い付いた。
「!!」
予想していなかった甘美な刺激にルルーシュは驚くと同時に、もうペニスは限界に近づいているのに気づく。
今のカレンは芸術品のような危うい均衡のもとにある。美しい絵画を眺めるような気分にもう少し浸っていたいが身体は正直だ。
上着とシャツを脱ぎ捨て、あとは下着だけだ。ペニスはもうビンビンに張り詰めて開放されたがっている。
ルルーシュは聖なる美を裏切るような罪悪感にとらわれながらカレンの胸元にあるバスタオルを剥ぎ取った。

スルスルとバスタオルが名残惜しそうにカレンの柔肌から滑り落ちていく、それだけで一流のショーのようだ。
ルルーシュはたった数秒の、そのショーに見惚れる。クッションに手をつき、まだカレンに触れられずにいる。
視線を意識したカレンは思わず手で乳房と局部を隠す。わずかに身をよじり、腕の中で乳房の形が変わる。
性器の入り口はもう隠しようがないほど潤っていた。
欲情に火照った身体を隠そうとするカレンの羞恥心がルルーシュの雄の意識をさらに刺激する。
「きれいだ。」
カレンはその賛美に答えない。唇を開き、ルルーシュの唇を求めるだけだ。
カレンもまたルルーシュの身体に雌として視覚的な興奮を呼び起こされている。
線の細い体にうっすらと走る筋肉のライン、直視できない黒い下着のなかを想像してカレンは恍惚となる。
くちゃくちゃと唾液の交じり合う音。ルルーシュはカレンの腕をほどき、両手で乳房を弄ぶ。
撫で上げ、揉みしだき、乳首を摘む。声が封じられているカレンは腰をよじり、ルルーシュの背中にしがみつく。
ルルーシュはカレンの内腿を撫で始める。まだここは産毛のサラサラとした感触だ。
指先をカレンの口元に持っていくとカレンはまたしゃぶり始めた。ルルーシュも赤ん坊のように乱暴にカレンの乳房に吸い付く。
すでにルルーシュの指先はカレンの局部にあてがわれている。しかし2人は綱渡りを楽しむようにお互いを高めあう。
その均衡を破ったのはカレンだった。背中に回した腕をほどき、ルルーシュの下着の上からペニスを撫でさする。
中でピクンと反応したのがおかしくて、カレンは駄々っ子をあやしてるような気分になった。
片方の手で自分の乳房をしゃぶっているルルーシュの頭を撫でてみる。ペニスを撫でられながら。
ルルーシュもそれがおかしかった。噛んでいた乳首から口を離してカレンを見つめる。
身体だけではない、心が通じ合ったのか。2人は言葉を交わさず笑った。
「いいよ、きて。」リラックスした声でカレンが言う。ルルーシュの下着を股下からお腹までこちょこちょとくすぐる。
新しい刺激にルルーシュは驚く。
「そんなことされたら行く前に出ちゃうよ。でも、なんか慣れてる?」
失言だった。
カレンは笑顔を絶やさず、ルルーシュの性器の袋の部分の感触を確認し、ギリギリと握りあげた。
「!!!!!!!!」
「初めてよ、失礼ね。」
悶絶したルルーシュはカレンの乳房から滑り落ち細い腰の上で股間を押さえながら弁明する。
「ごめん、だって撫で方がすごくいやらしかったっていうか、褒め言葉だよ、これ。」
「女の子だってそういうこと勉強するわよ。そういうあなたはどうなのよ。」
カレンはジト目で責め立てる。ルルーシュは返す言葉がない。
「ん、ま、まあ初めてみたいなもんかな、精神的には。」
「・・・」
怒ったような、落胆したような微妙な表情。ルルーシュは今度こそ本当に返す言葉がない。
「いいわ、許してあげる。でもあなたが知ってる女の子の中でこれからの私を一番愛してくれたら、の話だけど。」
「・・・誓います。」
ルルーシュは不実な約束を交わす。たぶんこれからこの少女を利用することになるだろう。
せめてもの償いとして、愛そうと思う。ルルーシュはカレンの細い腰からさらに下に顔を埋め、両手でカレンの足を広げる。
待ち焦がれるようにして潤った秘部にルルーシュは舌を突き入れる。
カレンは慈愛を込めた笑みとともにその行為を受け入れ唇だけで声に出さずにつぶやいた。
「う そ つ き」

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