幻想シャーリー


「ふう……」
 プールの更衣室で、シャーリーは小さく息を吐いた。
 聞く者はいない。すでに皆帰ったからだ。
「やっぱり、プールを独り占めできるのは気持ちいいよね」
 居残り練習という名目で泳いではいたものの、やはり心地良いから、というのが本当の理由だった。それも終えて今、ようやく着替えようとしているところなのである。
 シャワールームで髪を洗ったほうがいいだろうか。塩素のきついプールでは、すぐに痛んでしまうので、ちゃんと手入れが必要だ。
 そう思いながら、シャーリーは道具一式を取り出そうとした、そのときだった。
 ――カチャ
「え……?」
 更衣室の扉が開く。もう皆帰ったはずなのに。
 驚いて見やるシャーリーに、しかしさらなる驚きが待ち構えていた。
「やあ、シャーリー」
「る、ルル!? ち、ちょっと、なに入ってきてるのよ!?」
 シャーリーの動揺に、しかしルルーシュは違うらしい。そのままずんずんとこちらに歩み寄ってくる。
 さすがにシャーリーは眉をひそめた。
「ね、ねえ、どうしたのよ?」
「どうもしないさ。ただ……」
「ただ?」
 シャーリーはルルーシュの瞳を覗き込んだ。
 ルルーシュが普通に女子更衣室に入ってきたということは、それくらいの緊急事態が起こったのだろうか。もしかして、ルルーシュ自身に問題が起きたのか。
 そう思うととても心配でならない。
 だって、シャーリーはルルーシュのことが――
 だがその心配は、あっさりと裏切られた。
 ルルーシュがシャーリーの前で足を止めた。
「お前を、俺のものにしてやる」
 え、と思ったのもつかの間、シャーリーは、いきなりルルーシュによって唇を奪われていた。

「んむぅっ……あぅ……」
 シャーリーはあまりのことに一瞬反応に遅れた。だからルルーシュの口付けを避ける事ができなかった。
 唇には、柔らかく、温かい感触。今まで冷たいプールで泳いでいたのだから、なおさらルルーシュの体温が心地よく感じられた。
 気持ちいい。
 それが素直な感想だった。
(……って、なに考えているのよ、私!)
「んっ、離して!」
 シャーリーは思い切りルルーシュを突き放した。
 はあ、はあ、と息が漏れる。口をふさがれて、息をするのを瞬間忘れていたのだ。
 すぐに自分の思考を思い出す。気持ちいいだなんて、なんて淫らなことを考えていたのだろう。
 シャーリーはルルーシュをきっと見据えた。
「いきなりなんてことするのよ!?」
「キスしただけだが?」
「きっ……だ、だから、そういうことじゃなくて!」
 いつものルルーシュじゃない。ルルーシュはいつもこんなことしない。
 シャーリーは一瞬忘れていた心配を思い出した。
(本当にどうしちゃったのよ……)
 そんなシャーリーを、しかしルルーシュはあっさりと笑い飛ばした。
「どうしてか、と聞きたいんだろう?」
 シャーリーはこくりと頷く。
 その間も、ルルーシュは少しずつ前へ前へと歩を進めてくる。シャーリーもそれにつられるように一歩一歩後退する。
 シャーリーは、プールの水滴以外の水分――冷や汗が、自分の背を流れていくのを感じていた。
 くく、とルルーシュは笑う。
「お前が悪いのさ」
「え?」
「シャーリー、お前がどれだけ俺の前でいやらしい姿をさらしたと思っている? あんなことをされて、我慢できる男なんていないんだよ」
「え? え?」
 シャーリーは必死で頭をめぐらせる。でも思いつかない。それどころか、ルルーシュの前ではなおさら恥ずかしがっていたようにさえ思えるのに――
(まさか)
 シャーリーはようやく気付いた。
 それら、恥ずかしがる仕草が、逆にルルーシュの男の部分を刺激してしまったのか。
 青ざめるシャーリーに、ルルーシュは苦笑した。
「気付いたようだな。でも後悔しても遅い。俺はもう、お前の事を」
 シャーリーの後退する背が、壁に触れた。
 追い詰められた。
 逃げ場は、ない。
「犯したくてたまらない……」
「っ……!」

 がっ、と両腕を掴まれて壁に押し付けられる。
「痛っ!」
「我慢してくれシャーリー」
 そんな、と思った瞬間、ルルーシュの顔が目の前に迫っていた。
「まずは、キスのやり直しからだ」
 抵抗する暇さえなく、シャーリーはセカンドキスを奪われた。
「ん、んむぅっ……! ひゃ、ひゃめれぇっ……」
 必死で唇を離そうとしながら、口の端から言葉をこぼす。しかしルルーシュはそれさえ封じるように、さらに唇を押し付けてきた。
「ううぅっ、むぅっ!」
 逃げようとすればするほど濃厚になっていくキス。
 シャーリーは、次第にぼうっとなっていくのを感じていた。酸素が足りないのだ。鼻から息をするのさえ忘れてしまう。
 本当は夢に見ていた、恋愛感情を抱いていたルルーシュとのキス。
 綺麗な唇だった。それは実際に口付けを交わしてもそうだった。
 温かくて、湿っぽくて、激しくて。
 段々力が抜けていく。ただただルルーシュに身を任せてしまいそうになる。目前にはルルーシュの目を閉じた真剣な表情。
 なんだか、すべてを預けたくなってくる。
 と、不意にルルーシュが目を開けた。
「あ……」
 見られた。どくん、とシャーリーの胸が高鳴った。
 自分がちょっと嬉しがっている感情を、間違いなく悟られた。
 ルルーシュの瞳が、それを裏付けるかのように笑い、そして、唇が解放された。
「っぷはぁっ……はぁ、はぁ、ふぅ……」
「もう少し激しくするぞ」
「はぁ……んむっ!」
 宣言どおり、激しく唇をむさぼってくる。
 シャーリーは必死で頭を振るが、手を拘束され壁に押し付けられていては、簡単に逃げられるはずもなかった。
 さらに。
「んむぅっ!?」
 ルルーシュの唇から、舌が伸びてきた。

「んんんっ、んんんっ!」
 駄目だ、と必死でうめいて抗議するシャーリー。
 しかしルルーシュの舌は巧みに蠢いていた。さらに唇の動きも連動させて、ついには抵抗していたシャーリーの唇をこじ開けた。
「むんぅっ! んじゅ、じゅぅ……!」
 あ、と思ったときには遅かった。
 ルルーシュの舌がシャーリーの舌を捕らえる。ざらざらして、でも、やっぱり温かかった。というか、熱いくらいだ。
 その舌がシャーリーの舌を蹂躙していく。なめられ、からみ、突かれ、シャーリーの舌のすべてを感じ取ろうと、動いてくる。
「んむ、んんんぅ、ぁうむ……んちゅ……ちゅぷぅっ、んぁア……」
 ルルーシュの舌が、一瞬シャーリーから離れた。が、すぐにそれは、シャーリーの口の中を動き、歯や歯茎など、口の中のいたるところを舐め始める。
(ああ、もう、駄目……)
 シャーリーはぼうっと思った。
 すでに視界はぼんやりとし始めている。見えるのは、ルルーシュの顔だけで、感じるのはルルーシュの体温と動き、そして自分の感覚だけだった。
 ルルーシュの攻勢は止まらない。
 シャーリーの膝が、がくがくと震え始めた。
(き、気持ちよいよぉ……キスが、こんなだなんて……)
 すでにシャーリーの理性は風前の灯だった。
 それを感じ取ったのか、ルルーシュの舌がようやく自分の口の中へと戻っていった。
 なんだか、口の中が寂しい。
 シャーリーがそう思った次の瞬間。
「飲んで……」
 ルルーシュがまた舌を伸ばし、さらに口を開け、唾液を押し流してきた。
(ああ、ルルーシュの唾液だ……)
 シャーリーはそれを受け入れ、のどを鳴らした。
「こく、んくっ……っはぁ……」
「俺にも、シャーリーのをくれよ」
「ぅん……」
 さきほどの熱いディープキスで口の中に溜まっていた唾液を、舌の上に集める。そしてまたもや侵入してきたルルーシュの唇にそれを渡すと、ルルーシュはそれを飲んでくれた。
 嚥下し、笑みを浮かべる。
「おいしいぞ、シャーリー」
「わ、私も……」
 拘束されていた腕が解かれた。でももう、シャーリーは逃げる気すら失っていた。
 ああ、なんて淫らなんだ、と自分でも思う。でも、もうすでにルルーシュの虜だということも自覚していた。
 だから、そのルルーシュの手が自分の胸に水着越しであてがわれたことに対しても、シャーリーはなんら抵抗しなかった。
「いいな?」
 ルルーシュの確認にたいして、シャーリーは首を縦に振った。

 ルルーシュの愛撫は的確だった。
「あんっ……」
 水着越しでありながら、形の良い胸を、下から持ち上げるように揉みしごく。
 最初は優しく、たまに強く。
 声を漏らすのを我慢するのに必死なくらい、それは気持ちよかった。
「シャーリー、じかで触りたい」
「あ……うん。肩の紐を持って、下げて」
 ルルーシュは言われたとおりに行動してくれた。シャーリーは、それが簡単になるように腕を上げ、肩口から水着を脱いだ。
 ぴっちりと肌に吸いつく水着は、しかしそれだけでは胸をさらけ出すに至らない。だからシャーリーは、さらに自ら水着の胸元をずり下げた。
 下半身にだけ水着が残り、あとは裸。
 なんだか背徳的だな、と思う。でも、それがルルーシュのためなら。
「綺麗だ、シャーリー」
 おもむろに胸に触れてくるルルーシュに、シャーリーは飛び跳ねた。
「くうんっ!」
「気持ちいいみたいだな」
「そ、そんなこと言わないでよ……恥ずかしいんだから……」
「……いいことを教えよう」
 ルルーシュは胸に当てた手をきゅっとしぼり、シャーリーの乳房を歪ませた。
「そういう表情は、男をさらに欲情させるんだ」
 え、と聞き返そうとして、しかしできなかった。
 ルルーシュの顔はすでにシャーリーの胸元にあり、さらに口に乳首を、含んだ。
「ひゃあぁっ、る、ルルっ……あ、す、吸っちゃだめえぇっ!」
 だがルルーシュはそれをやめなかった。
 右の乳房にむしゃぶりつきながら、左の乳房をいじる手も止めない。それどころか、左の乳首を指で摘むと、それを絶妙な強さでつねった。
「んんあああぁっ! や、だめ、だめえええぇぇぇっ!」
 膝の震えは、ついに限界に達した。
 壁に預けた背がずり下がっていく。ルルーシュもそれを同じように体をおろし、ついにはシャーリーは壁際に座り込む形になってしまった。
 ルルーシュがついに、乳首に歯を立てた。
「い、いいよぉ、気持ちいいよぁ、ルルぅっ!」
 びくびくと体が反応する。背が反ってしまう。足がつりそうなくらい力が入ってしまう。
 と、ルルーシュは唐突に胸から口を離した。手での愛撫も止めてしまう。
 大きく息をしながら、シャーリーは悲しくてルルーシュを見た。
「ルル、どうして……」
「こっちが寂しそうだからさ」
 そう言ってルルーシュは、シャーリーの股間に手を伸ばした。

「そ、そこは駄目っ!」
 シャーリーは慌てて太ももを閉じた。が、一瞬間に合わず、ルルーシュの手を逆に挟み込む形になってしまう。
 ルルーシュの手の暖かさを感じた。ちょっとだけ幸せな気分になった。
 だが、次の瞬間、ルルーシュの指先は、素肌の太ももに挟まれながら、器用にシャーリーの秘部を水着越しに擦り上げていた。
「ひゃああぁぁっ!」
 ぐちょっ、と水音がする。
 水着に含まれた水の音だけでないのは、明らかだった。これまでの行為で、すでにシャーリーの下腹部からは、それほどまでに愛液が漏れ出ていたのである。
「可愛いな、シャーリー」
 言いながらルルーシュは、さらに指を動かした。
「あああぁぁぁっ、いひゃぁあっ! んああっ、ど、どうしてこんなに、感じるの……んひゃうぅっ!」
 ルルーシュがその言葉に笑みを浮かべながら、さらに指先で撫で上げていく。
 水着の股布のざらざらした感覚が気持ちよかった。それを介しているというのに、感じられるルルーシュの指先の体温が心地よかった。
 普段意識することなんて絶対ない水着の股布が、シャーリーを快楽に染め上げていく。
 ついにルルーシュはシャーリーの突起を水着越しにつまみあげた。
「んあ、ああああぁぁぁぁっ!」
 シャーリーの悲鳴に、ルルーシュはさらに手のスピードを上げていく。
 決して膣内に入り込もうとしないのに、その巧みな指使いが、どんどんシャーリーを高みへと導いていく。シャーリーは必死で首を振った。
「駄目ぇっ、らめええぇぇぇっ! イく、イっちゃうよおおぉぉ!」
「いいぞ、イっていいぞ!」
 その言葉と共に思い切りクリトリスをつねり上げられたのが、トドメだった。
「い、イくうううううぅぅぅぅぅっ!」
 頭の中が真っ白になって、でも下半身は熱くて、体全体に電撃が走ったみたいで。
 びく、びく、と体が痙攣する。さらに。
(あ、ああ、ど、どうしよう……)
 体が冷えていたためか、尿意が一気にこみ上げてきた。しかも今、絶頂を迎えたばかりで下腹部に力が入らない。
 シャーリーは必死でルルーシュに目で訴えた。
 そしてそれは伝わり――ルルーシュに微笑まれた。
「いいぞ、ここで漏らせ」
「っ!」
 またもやルルーシュに勃起したものをつねられた。
 我慢、できなかった。
 しゅわぁ、と股布へと小水を漏らしていく。
 その股布から自分の股間へと跳ね返ってくる尿の温もりが、それでも気持ちよくて、悲しかった。
「いやぁ、見ないでぇ……見ないでよ、ルル……」
 しかしルルーシュはそれをずっと見ていた。しかも笑みを浮かべている。
 あまりの恥ずかしさに、シャーリーは涙が溢れてくるのを止められなかった。

 全部出し終えて、シャーリーは完全に力が抜けて、背を壁に持たれかけさせることさえできなくなってしまった。ずるずると尻がずれ、完全に更衣室の床に寝そべってしまう。
 股間とでん部、それに背中が、自分の漏らした小水で温かかった。
 だからこそさらに、シャーリーは涙を止められなかった。
「ひっ、み、見ないでって、ひっ、言ったの、に……ぐすっ……」
 恥ずかしかった。こんな自分、見て欲しくなかった。
 ルルーシュのほうを見られない。
 だが、そのルルーシュが、そっとシャーリーの頬に舌を這わせた。涙を舐めたのだ。
 はっとしてシャーリーは目を開けた。
 ルルーシュが微笑んでくれる。
「大丈夫、可愛かったよ、シャーリー」
「ルル……」
 シャーリーは思い余ってルルーシュを抱きしめた。力が巧く入らなくて腕を回しただけだったが、ルルーシュはシャーリーを抱きしめ返してくれた。
 しばらくたって、シャーリーが落ち着いた頃になって、ルルーシュは顔を上げた。
「いいな?」
 それがなにを聞いているのかは、シャーリーにもちゃんとわかった。
 だから、なんとか脚部に力を入れて、自分から股を開いた。
 淫らな女だと思われても良い。ただ、ルルーシュのために、自分から彼を受け入れるのだ。
「ありがとう、シャーリー」
 言って、口付けてくれる。
 それは先ほどのような激しさはなかったが、心がこもっているような気がした。
 唇を離し、ルルーシュは体の位置をずらすと、シャーリーの股の間に自分の体を入れた。すでにシャーリーの水着についた水分で濡れていた服を脱いでいく。
 ついに裸になってから、シャーリーは思わず笑ってしまった。
「私のほうが、着ているものが多いね」
「そうだな、でも、そのままで構わない」
 ルルーシュはそう言って、シャーリーの水着の股布に手を当てた。
「んっ……」
「挿入るぞ」
「う、うん」
 そっとルルーシュの股間に目をやれば、そこには想像以上の大きさに勃起した男性器がそびえたっていた。
 あれに貫かれるのか。
 シャーリーは少しだけ怯えた。あんなに太いものが自分の中に入る、というのが想像できない。でも、それと同時に期待があることもまた、否定できない事実だった。
「お願い、ルル」
「ああ」
 ちょん、とルルーシュの勃起がシャーリーの陰唇にあてがわれた。
 く、と力が入ったのがわかった。
 くる、と思った次の瞬間。
「んんううううっ!」
 ルルーシュの剛直が、シャーリーの体内へと入り込んだ。

「んんっ……は、入って……っく、くるぅっ……!」
 ルルーシュの男性器が、ゆっくりと、しかし確実に奥へと入り込んでくる。
 シャーリーは驚くことに、まったく痛みを感じていなかった。それどころか、快感で目の前がチカチカするほどだ。もっとも、違和感はあるが。
 と、ルルーシュの挿入が、中ほどで止まった。
 シャーリーも気付く――処女膜だ。
「いいな?」
「うん」
 もう、シャーリーは迷わなかった。
 明快な回答を得たルルーシュが腰に力を入れる。そして。
「っつ……!」
 ぶち、と音が鳴った気がした。
 破られた、と思った次の瞬間には、ルルーシュが一気に自分の性器を最後までねじ込んできた。
「っはあ、っはあ……!」
 息を深く吸えない。切れ切れになってしまう。
 そんなシャーリーにルルーシュがささやいてきた。
「すまない、痛かったか?」
 シャーリーは、しかし首を横に振った。
「ち、違うの……ふぅっ……どうし、よう、ルルっ……き、気持ち、いいよう……」
 ルルーシュが目を丸くする。しかしそれは事実だった。
 シャーリーは、初めての行為だと言うのに、ほとんど痛みを感じていなかった。処女膜を破られた時にさえ、ちょっと衝撃がきた、という程度でしかなかった。
 違和感どころではない。膣の中にあるルルーシュの分身が、どんどんとシャーリーに快楽を与えていた。その熱さも、硬さも、脈打つ時の微動も、すべてが快楽につながってしまう。
 だからこそ、シャーリーは逆に不安になってしまう。自分は変なのではないか、と。
 シャーリーはまたもや涙を浮かべながら、上半身をこちらに倒していたルルーシュに腕を伸ばした。
「ど、どうし、よう……っん……わ、私、へ、変態、みたい……」
「大丈夫だ、シャーリー」
 ルルーシュは、伸ばされた腕を掴むと、その手の甲に口付けた。
「変態でも構わない。俺は、そんなシャーリーのほうが好きだ」
「あ……」
 シャーリーは顔が赤くなるのを自覚した。
 そんな言葉はずるい。何も言い返せないどころか、もっとルルーシュのために淫らになってしまいそうだ。
 だから、ルルーシュが、動くぞ、といった時、シャーリーは思わず言ってしまった。
「は、激しくても、いいよ……」
「シャーリー……」
 恥ずかしくて目をあわせられない。でも、ルルーシュが頷いたのは、気配で感じた。

「じゃあ、遠慮なく」
 ルルーシュは、ずるずると自身の陰茎を抜き始めた。
「あああぁぁぁ……」
 その振動に、シャーリーはあえいでしまう。が、次の瞬間。
「ふっ!」
「ふああああぁぁぁぁっ!」
 ずん、と一発奥に来た。
 それで本当に大丈夫だと理解したのか、ルルーシュの腰の動きが本当に激しく、強くなった。
「あああんんっ、ひゃあぁっ、んぐぅっ、んんんっ、くはああぁぁぁっ!」
「ああ、シャーリー、可愛いぞ、もっと乱れてくれ!」
「んはああぁぁぁんんっ! ルル、ルルうううぅぅぅっ!」
 熱くて硬いものが、何度も膣を行き来する。
 膣壁の上下左右、いろんなところをこすり付けたかと思うと、今度は深く、浅く、そしてついには円を描きながら、ともう訳がわからない。
 シャーリーの快楽はどんどん高みへと上っていく。それは、先ほどのルルーシュの愛撫よりも、もっと強いものだった。
「あああぁぁぁっ! きっ、来てるっ、ルルの熱いのが、私の、あああぁぁんっ、中に来てるのおおぉぉぉっ!」
「気持ちいいんだな、シャーリー」
 動きを続けるまま聞いてくるルルーシュに、シャーリーは必死で頭を縦に振った。
「うんっ、気持ちいいよおおぉぉぉおっ! こ、こんなの、体験したことないっ!」
「そうか、ならもっと気持ちよくしてやる!」
「んひいいいぃぃぃっ!」
 ルルーシュが、ラストスパートだとばかりにペースをあげ、さらに腰の動きが力強さを増す。
 シャーリーの腰に当てられた手に力が入ったのもわかった。でも、それは意識のほんの端っこで、頭の中を占めていたのは、ただただルルーシュから送られる快楽だけだった。
「うううぅぅぅっ、だ、だめえぇっ、イ、イきそうだよおおぉぉっ!」
 悲鳴さえも、自分が出しているようには聞こえない。
 背が反っていく。体が震える。下腹部が、やけどしそうなくらい熱くなる。
「ぐっ、だ、射精すぞ!」
「き、きてええぇぇぇっ、膣内にいぃっ、んはああぁぁぁっ、射精してえええぇぇぇっ!」
「っくっ!」
 ルルーシュの、最後の一撃が奥へ届いた瞬間、シャーリーは絶頂を迎えた。
「ひいっ、いっくうううううううぅぅぅぅぅぅっ!」
 先ほどよりも大きな絶頂に、頭の中が真っ白になったかのような感覚に襲われた。
 さらに、膣の中で、ドクドクと精液を注がれて、シャーリーはさらにうめいた。
「あああぁぁぁ、る、ルルの、せいえき……あ、熱いよぉ……」
 シャーリーは、その性交の証を感じながら、しばらく余韻に浸っていた。

 が、これで終わりではなかった。
「もう一発やるぞ」
「……え? んううっ!」
 いきなり腰を浮かされたかと思うと、ルルーシュはシャーリーの体を無理やりうつぶせにさせてきた。しかも肉棒を入れたまま、だ。
 その擦りあわされる感覚にまた快楽を受けてしまったが、彼の思いをなんとかかなえよう、と必死でシャーリーも自ら体を半回転させた。
 あ、でも、とシャーリーは思う。このままでは、ルルーシュの顔が見えない。
「シャーリー、膝立ちになれるか?」
 しかしそんな想いとは裏腹に、ルルーシュの注文がとんできた。シャーリーはそれに素直に従い、なんとか足に力を入れてそれを達成した。
「こ、これでいいのね……?」
「そうだ……じゃあ、動くぞ」
 あ、待って、と静止をかける寸前、ルルーシュの一撃が、思い切りシャーリーの膣内に襲い掛かった。
「んあああぁぁぁっ!」
 なんとか手で踏ん張って、シャーリーは一発でイってしまいそうになるのを堪えた。が、その動きで気付いた。この体位は――
「さっきよりも奥に入っているだろう? これなら、うまくやれば子宮の中にだって入れるかもしれない」
「し、子宮……」
 さすがにそれは恐ろしい想像だったが、それでもこれが気持ちよさを生むのは否定しがたい事実だった。
 シャーリーは決意すると、なるべく扇情的になるように、腰を振った。
「お、お願い、ルル……きて」
 はっと息を呑む気配が伝わってきた。
 腰に当てられた手に、痛いほどに力が伝わってきた。
 そういえば、ルルーシュはシャーリーが無防備で欲情させると言ってきたが、今はわかる気がする。性交を望む女だなんて、なんて淫乱なんだろう。
 でも、それでも。
 ただルルーシュと交わる事ができれば、それで良い。
 ルルーシュの腰が引かれ、そして、始まった。
「んあああぁぁぁっ、あ、当たってるよおぉっ、んむぁっ、あっ、し、子宮の、入り口にぃっ、ルルのが、あ、あああああぁぁぁぁっ!」
「ほら、もっと喘いでくれよ!」
「ひぐううううぅぅぅっ!」

 ぐちゃぐちゃと音がする。
 それは、ルルーシュが先ほど出した精液とシャーリーの愛液が交じったものが、二人の結合部から漏れ出している音だった。
「お、音があぁっ、い、いやらしい、よおぉぉっ、くあああぁぁんんんっ!」
 ばちんばちん、と腰の当たる音。ルルーシュの荒い息遣い。足が床に擦れる音。
 全てが全て、いやらしい音となってシャーリーの耳に入ってくる。
 このまま全て、快楽に身を任せてしまおう。
 シャーリーは決断し、そして。
「く、子宮に直接射精してやる!」
「あああああぁぁぁぁっ、き、きてきてきてえぇっ!」
「うおおおおおっ!」
「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ、死んじゃうよおおおおおおぉぉぉぉぉっ!」
 子宮口に直接当てられたルルーシュのモノから、シャーリーの子宮に直接びゅくびゅくと精液を注がれる。
「ああ、あああぁぁぁ……わ、私、妊娠しちゃうよおぉ……んくううぅぅっ」
 自分の言葉に、また軽い絶頂を味わう。
 最後まで出してから、ルルーシュは肉棒をシャーリーから取り出した。そしてシャーリーの顔の前に腰を下ろし、その様々な液だらけの男性器を見せ付けた。
「綺麗にしてくれ、シャーリー」
「あぁ、ルルのおちんぽぉ……」
 シャーリーは進んでそれを口に含み、しゃぶった。変な味だな、と思いつつ、意識が白濁していき――

 はっと目が覚めた。
 暗闇に覆われたそこは、間違いなく自分の寝室だった。
「夢……」
 はは、とシャーリーは苦笑した。なんという夢を見たのだろうか。いや、もしかしたら自分はそれを望んでいるのかもしれないな、とシャーリーは自覚した。
「あ……」
 ふと、自分の股間の冷たい感覚に気付いた。
 シャーリーは自分の下着の中に手を突っ込む。それは自分の愛液だった。
 夢を思い出す。ルルーシュにどんなふうに犯されたのかを。
「んっ……」
 そしてシャーリーは、彼を想いながら自慰を始めるのだった。

inserted by FC2 system